留学は一人でするもの??

ネット上などで長年見かける留学サポートへのご意見として、「留学は一人で苦労することに価値がある、サポートなどいらない」という声があります。そしてその声は概ね、留学に成功した「勝ち組」の方のご意見です。

しかしその影には、ひとつのうっかりした手続きミスで留学が続けられなくなったケースもあれば、準備や知識不足、色々な理由で残念ながら留学において残念な結果になってしまった方がたくさんいらっしゃることを忘れてはなりません。

留学は、あちこちにくぼみや落とし穴のある道を手探りで歩くような面もあります。そして、その穴にはまった時には人生設計が大幅に狂うことになります。例えるならば、車を運転するのに自動車免許を取らずに、保険もかけずに「自分は絶対事故は起こさない」とはとても約束できないというのと共通するものがあります。

近年、保護者の方でも海外大卒の方が増えてきました。そういった方々からは、「自分達の頃にもこういう指導やサポートがあったらもっと安心して留学できた」というお声をいただいております。

留学指導やサポートの方針

サポートと甘やかす事との違い

もちろん、情報収集をうまく行い、常に適切な対応をしながら進み、きちんとアメリカの大学を卒業された方もたくさんいらっしゃいます。それは、そのような習慣がすでについていた、または早く適応できたからこその結果です。私たちはNCN生となった全ての学生が、なるべく早期にアメリカで問題なく留学生活を送れる状態になることを留学初期の目標としています。それが事前/留学初期の集中的な指導を行う意味と言えるでしょう。

そして、留学時に起こる様々なアクシデントへの対応や日常の大学生活に関する相談を行い、なるべく円滑に留学が進行するようにするのがサポートの役割です。「トラブルを乗り切るのも人生勉強のうち」という考え方もある一方、一度のトラブルが致命傷になることもあり、そうなっては取り返しがつきません。避けられるトラブルは避けた方が賢明ですし、指導内容に従って日々の生活を送った結果、気づかないうちにそもそもトラブルの原因すら無くなっていることも多いのです。

一方で、「全てを指示し、代わりにやってあげる」のでは、留学終了後には社会に出ることになる学生の成長につながりません。本機構では、相談に対してはあくまでアドバイスの立場にとどめ、「非指示」を原則として、できるだけ学生の判断力や成長を阻害しないように心がけ、時には厳しいアドバイスや叱責も送ります「サポートを受ける=甘やかされている」わけではないのです。

先の自動車の例えになぞれば、NCNは交通ルールやマナー、運転技術を教える自動車教習所の役割と、カーナビなどの便利な機能、そして道路のガードレールや車についているエアバッグなど、普段は意識しない重要な安全装備の役割を担っているというのが近い例えかもしれません。

大規模な緊急事態への対応

どんなに自立ができたとしても、長い留学の中では、個人の力ではどうしようもないようなアクシデントや環境の変化が起こることもあります。最も分かりやすい例で言えば、まだ完全には終息していないコロナ禍です。初期には日本とアメリカの往来すら満足にできなくなり、さらには学生ビザの新規発給が停止されるという私たちにとっても未曾有の事態が発生しました。

しかし、私たちは即座にアメリカの各大学と連携を取り、現役学生やこれから留学予定の学生への対応を進め、学生や保護者の皆様に積極的に情報発信を行い、米国語学研修のオンライン授業への切り替えを大学に依頼するなど、今はアメリカに行けずとも、少なくとも学びをストップさせないようにすることをゴールできる限りの対応を進めました。最終的にはビザ発給再開後、日本の大学などが動き出すよりかなり早く、希望者に対していち早く留学を再開することができました。

思い起こせば、私たちの30年の歴史の中では、2011年の東日本大震災2001年の同時多発テロ事件など、少なくとも約10年に一度、日米を揺るがすような大事件が起きてきました。そのつど、私たちは情報収集やどう対応すべきかを大学と協議し、学生の学びへの影響が最小限になるように組織として学生を支えてきたのです。もちろん、今後このような大きな事案や災害が起こらないことを私たちも祈っていますが、万が一に備えるに越したことは無いでしょう。

東日本大震災の際にNCN学生が米国大で集めた寄せ書き

このような例はやや極端としても、大学生活中はもっと日常的なレベルでも色々な事が起こり、悩むこともあります。思ったように学習が進まない、ルームメイトとのトラブル、進路に迷ったなど、日々困った事態が出てきますが、私たちは日本での準備段階から一貫した指導をしています。ですから、そういった際にもあなたのこれまでの状況や、大学側のオフィシャルな情報も確認した上で適切な解決案をご本人や保護者の方に提示できます。それが、私たちの組織として行う「サポート」の意味なのです。

人生に一度の機会を大切に

学び直しを除けば、人生で大学生活は一度きりで、この期間をどう過ごすかでその後の未来が決まると言っても過言ではありません。そして、多大なコストをかける大学留学がサバイバルや冒険旅行で本当に良いのでしょうか

私たちの提供するものは、単なる窓口ではなく、逆に過保護なベビーカーでもありません。より留学の確実性、大きな成功の確率を高め、正しい道を選べるようにするための指導、そしてそれでも防げないトラブルの際には損害を最小限に止め、再び成功に向かうためのサポートを、大学や協力機関と共に提供しているのです。 

文責:堀 宏輔(NCN米国大学機構 日本事務局)


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