ほとんどの学生にとって、留学を行う際に最も心配なのは留学費用でしょう。ここでは、NCN特別奨学金ならびに日米で受給できる奨学金について紹介していきます。
返還不要の給付型奨学金
一定の条件のもとで支給され、卒業後などに返還の必要のない奨学金をご紹介します。
1. NCN特別奨学金
NCN特別奨学金は、受入大学の協力のもと、本機構の日本人学生受入制度により留学を行う学生を対象に支給される返済不要の奨学金です。
NCN特別奨学金実施大学
アーカンソー大学(州立)/アーカンソー州立大学/セントラルアーカンソー大学/アーカンソーテック大学(州立)/ヘンダーソン州立大学/ミズーリサザン州立大学(州立)/ネブラスカ大学オマハ校(州立)/ネブラスカ大学カーニー校(州立)/ノースアラバマ大学(州立)/セントラルオクラホマ大学(州立)/ノースイースタン州立大学/ヘストン大学(私立)
高校/大学のGPAにより支給決定
共通審査の段階で、受験者の在籍/卒業した高校・大学のGPA(評定平均)が各大学の定めた基準を上回る場合、人数制限なく支給が決定されます。各大学の基準については、受入大学一覧のページをご参照ください。
最低GPAは2.2前後(高校の5段階評価で平均約3.2)から対象となる大学があります。また、各大学の基準に多少足りなくても交渉可能な場合もあります。まずは進学説明会でご相談ください。
支給内容
(A) 授業料減免型
セントラルオクラホマ大学、ノースアラバマ大学を除く各大学で実施されている方式です。各学期に納付する授業料を平均50%程度減免します。減免率は大学により異なります。授業料は例年若干の変更がありますが、減免率の変更は原則としてありません。
例:アーカンソー大学の場合
通常の留学生 $26,990/年 → NCN特別奨学金対象者 $7,665/年 (72%減免)
ネブラスカ大学カーニー校の場合
通常の留学生 $14,130/年 → NCN特別奨学金対象者 $6,480/年 (54%減免)
上記は2023-24年度に年間30単位履修した場合の授業料の例であり、実際は取得単位数により授業料額は変動します。授業料の他、大学が徴収する必須のフィー、寮費や食費、教科書代、日本人学生受入制度プログラム費用などが必要です。(以下、他の例も同条件)
アーカンソー大学では4年間で卒業の場合、総支給額が1,200万円弱にもなります。他大学でも平均450万円(4年間)程度の支給がありますので、個人留学に比べて経済的な費用で卒業までの指導・サポート付きの留学が実現できます。*1ドル=150円で試算
(B) 別途支給型
授業料に連動せず、学期ごとに一定額を支給される形式です。セントラルオクラホマ大学、ノースアラバマ大学で採用されています。特にノースアラバマ大学は入学後の成績と連動して支給額が変動するタイプで、多くの学生が最高額の受給を受けています。詳しくは関連記事をご覧ください。
とにかく一番経済的な大学から検討したい場合は、まずはノースアラバマ大学を検討してみましょう。NCN特別奨学金を受給の場合、授業料・諸費用・寮費・食費まで含んで年間約300万円と非常に経済的に学べます。
条件クリアで全員に支給
本奨学金は人数制限なく(大学の定員まで)、基準GPA等を満たすことで全員に支給されます。実際、本機構からの進学・留学者の9割以上がNCN特別奨学金支給大学に進学しており、本機構を通じてのアメリカの大学への進学・留学においては中心的なプログラムになっています。
卒業・留学終了まで原則継続
奨学金の支給は継続条件を満たすことで卒業・留学終了まで継続されます。
継続条件は大学により異なりますが、通常の大学生活を送っていれば問題なくクリアできるものばかりです。ご家庭では奨学金支給後の授業料をベースにご予算を組み立てられるのがこの奨学金の最大の強みです。
詳しくは進学説明会へ
米国大学や日本人学生受入制度の進学説明会を東京・大阪・オンラインで実施しております。ご参加、ご相談は無料です。
2. アメリカの奨学金
新入生や編入生向けの奨学金
NCN特別奨学金と同様、成績(GPA)により入学審査時に奨学金を付与する大学があります。共通審査の面接の際には、このタイプの奨学金についても可能性の確認を行います。ただし大学によっては、留学生であってもSAT/ACTといったアメリカの学力テストスコアを求める場合があります。詳しくは進学説明会等でご確認ください。
成績優秀者に対する奨学金
大学入学後の成績で、成績優秀者(大学GPA3.5以上)になる、あるいは部活や個人活動で大学に貢献するような顕著な活躍をした学生には、スカラシップ(Scholarship)と呼ばれる奨学金が支給されることがあります。金額はさまざまですが、成績優秀者は年間$2,000前後を支給される大学が多くなります。こちらは通常、NCN特別奨学金と同時受給は可能です。
こちらは大学生活の結果に対する褒賞ですので、事前の予算計画に組み入れることはできません。「支給されたら親孝行」というくらいに考えておきましょう。
3. 日本の奨学金
(A) 高校生(新入学の学生)の場合
日本の給付型の奨学金制度として、日本学生支援機構が実施する「海外留学支援制度(学部学位取得型)」があります(*2024年渡航者は募集終了)。審査により承認された学生に、以下の奨学金が支給されます。例年、給付内容の見直しがあるなど条件が変わるため、詳しくは公式HPを参照するか、直接、日本学生支援機構にお問い合わせください(本機構ではお答えできません)。ここでは、2024年渡航者向けの基本情報を整理してポイントだけ記載します。
応募条件
- 高卒の新入生として四年制大学に進学する学生(編入不可・高専4年生以上も不可)
- 志望動機が条件に合致する者(下記)
- TOEFL iBT80点 or IELTS6.0保持者
- 評定平均3.7(五段階評価)以上
- 日本国籍または永住権保持者
- 保護者の合計所得が年間2,000万円以下
- 審査あり *23年は78名に支給
支援内容
- (米国の場合)月118,000円を正規授業受講中の最大4年間支給
- 渡航支援金16万円支給
- 他奨学金との同時受給OK(NCN特別奨学金も併給OK)
- 日本学生支援機構の貸与型奨学金とも同時利用OK
※上記は2023年の支給実績であり、例年支給内容に見直しがあります。
制約事項等
- 編入の学生(日本の大学生等)は利用不可
- 申請時から進学先の大学変更は不可
- コミュニティカレッジ不可
- 語学研修中は支給なし
- 進学後の転学・休学は原則不可
- 支給は学士号取得まで(大学院は支援なし)
志望動機の制限
上記に加えて、本制度利用の際は、以下のような志望動機上の制約が設けられています。
「意思を有する」である以上、将来について完全に縛られるわけではないものの、日本の国家予算から奨学金が支給されることから、目に見える形での日本への貢献の動機を持たない学生は審査を通らない可能性が高いです。例えば「大学を卒業したらアメリカで起業したい」といったような動機はアウトと言えるでしょう。
ご自身の学びたい分野において、アメリカから知識を持ち帰り日本社会に還元する、あるいは国際社会での日本のプレゼンスを高めることに貢献するには何ができるか、ぜひ考えてみてください。
NCN米国大学機構の受入大学に進学の場合
本奨学金での総支給額は約580万円(11.8万円×48ヶ月+16万円)となります。NCN特別奨学金適用大学に進学した場合、大学で必要となる生活費を含む学費の40〜60%、留学総費用の最大40%程度をカバーできる非常に大きな奨学金となります。さらに、後述の貸与型奨学金を組み合わせることで、留学中の家計負担はさらに少なくできる可能性があります。
(B) 大学生の場合
残念ながら編入の場合には目立った給付型奨学金は無いものの、本機構の認定留学/休学留学プログラムで1年程度の留学を行い、日本の大学に戻るケースでは「トビタテ!留学JAPAN」奨学金が最も有力なものになるでしょう。
米国の場合は審査を通過した場合、以下の支援があります。(2024年度)
・授業料30万円の支援
・留学準備費用25万円の支援
・6万円または16万円/月の生活費支援(家計状況によりどちらか)
詳細は公式サイトを参照してください。(本機構ではお答えできません)
NCN特別奨学金適用大学で年間学費200万円台の大学の場合、最大で米国大学で必要な学費の6〜8割程度を奨学金で賄うことができる可能性があります。この場合、本制度費用や保険なども含め、総予算150〜200万円程度で1年間の留学ができます。
しっかりとした審査対策が必要ですので、所属大学や本機構とよく相談しながら進めていきましょう。本機構では、共通審査を受験して留学先を確定させた後、本奨学金が適用されるかどうかの結果を見てから留学の意思決定を行うことも可能です。詳しくはご相談ください。
貸与型奨学金
日本学生支援機構奨学金
日本学生支援機構が実施する貸与型奨学金は、あるアンケート調査によれば日本の大学生の約4分の1が利用しているとも言われる最も有名な奨学金です。しかし、実は海外進学や短期留学でも使えることはあまり知られていません。
貸与型は「将来の返済が心配」という声もよく聞かれるます。しかし、ことアメリカの大学への進学については、卒業後に世界で活躍できる可能性が非常に高いことを考えれば、返済の心配をするよりは、使って留学を実現した方が遥かに将来が広がると考えられます。
貸与金額
・2〜12万円/月(選択制・1万円刻み)
・入学時特別増額貸与奨学金:10〜50万円(選択制・10万円刻み)
応募資格と注意点
本情報はあくまで本機構の日本人学生受入制度を通じて留学することを前提としてポイントをまとめたものであり、詳しくは公式情報を参照してください。 また、本機構では本奨学金についての質問は受け付けておりません。
高校生の場合
- 所得制限あり(家族構成により異なる)
- 高校卒業見込み、高卒認定試験合格者、もしくは応募時点で高校卒業後2年以内であること
- 申込時までの全履修科目の学習成績が、平均水準以上と認められること
- 特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
高3の在学中に申請を出すことができ、本機構でも大学の資料など必要書類の準備についてサポートしています。高専生で5年まで在学する場合は、以下の大学生等の項目を参照してください。
大学生等の場合
- 所得制限あり(家族構成により異なる)
- 大学、短大、高専の卒業見込みもしくは応募時点で卒業後3年以内であること
- 大学等においては、本人の属する学部(科)においておおよそ上・中・下の三段階に分けて中以上の成績*であること (NCN注:GPA約3.0以上と考えられるが、厳密なものかどうかは不明)
- 特定の分野において、特に優れた資質能力を有すると認められること
大学生の場合はやや複雑です。まず、日本の大学を中退しての編入学についてはほぼ応募不可という点に注意をしてください。編入はあくまで短大や高専5年を卒業した後のケースを想定しているようです。
「日本の教育機関を中退する人に奨学金を出すのは日本の教育システム上好ましく無い」ということでしょうから、これは仕方がありません。すでに中退されている方についても、残念ながら審査で通らない可能性が高いと思われます。
もしも編入希望で本奨学金をどうしても利用する必要がある場合は、日本の大学卒業後の編入を検討する必要があります。
これらの基準に適合しない場合は、金融機関の教育ローンなどを利用するのが第一候補となるでしょう。
なお、大学在学中の1年間の留学の場合も応募基準はほぼ同様で、日本の大学ですでに本奨学金を利用されている方も対象となります。詳しくは公式サイトを参照してください。
米国大学進学・留学説明会
東京・大阪・オンラインで実施
日本人学生受入制度の詳細は、進学説明会でご案内しています(無料・要予約)。詳細資料をもとに、受験方法や留学費用も含めた制度の説明を行うとともに、現地映像や学生インタビューも交えて情報満載でアメリカの大学をより理解していただける内容となっています。
親子で進路を考える機会としてぜひご活用ください。その他詳細は以下のリンクからご確認ください。
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