アメリカの大学院への
直接進学は難しい?
大学生の方から多いご相談が、「日本の大学からアメリカの大学院に進学したい」というものです。
しかし、日本の大学からアメリカの大学院への直接進学には、以下のような高いハードルがあり、実現は容易ではありません。
実際、統計上も日本からアメリカの大学院に進学している学生数は非常に少なく、日本の感覚で「大学を卒業したら大学院」と当たり前に考えるのは難しいでしょう。では実際にどうしたら良いのか、ここでは考えていきましょう。
アメリカの大学院入学要件の例
・最低約3.0のGPA(あくまで最低。大学により異なる)
・大学院の議論に対応する高い英語力(TOEFL®️80〜100点)
・GRE®️、GMAT®️等の学力テストのスコア
・推薦状
・米国の学部課程卒の学生と同等の予備知識
社会経験の長い社会人の方は別として、大学生の場合はそもそも、GPA基準がクリアできていないとその時点で大学院への「直接」進学は困難になります。(直接でない方法は後述)
ではGPAがクリアできていたとして、この中で最も大変なのは、英語と学力テスト対策です。GMATは主にMBA(経営学修士)、GREはそれ以外の一般的な専攻全般に用いられます。要は、学部卒として必要な知識や論理性などを持っているかを試されるわけですが、そもそもテストが英語で実施されることもあり、英語を一定以上まで仕上げた後にGRE/GMAT対策をするという順番になります。
正しい勉強法ができていると仮定しても、普通の英語力からこのレベルまで上げていくのには時間がかかりますし、自力で到達できるかどうかも分かりません。さらにそこからテスト対策となるとさらに時間が必要となるでしょう。もちろん多大な努力でクリアする方がいらっしゃる一方、一般的にはそうこうしているうちに年齢面や生活面で留学のタイミングを逃していくというケースの方が圧倒的に多いと思われます。
アメリカでの大学院の位置づけ
アメリカでは、医学・医療系・スポーツ系・心理系・建築学・法学・工学など資格を伴う専攻や、プロとして働くには高い専門性が必要な専攻の場合、大学院への進学が必要、あるいは推奨とされることがあります。
例えばスポーツにおける怪我の予防やリハビリなどの指導を行うアスレティックトレーナー資格(ATC)を取得する場合、学部では生物、物理などを含む運動科学やスポーツ心理学、栄養学などを学び、大学院でトレーナーの実技を多数の実習と座学を交えて学んでいき、大学院卒業時に資格試験を受験し、合格すればトレーナーとしての活動を開始できます。
また、具体的なテーマの解決には予備知識が大量に必要な専攻では、予備知識を学部で学び、本論は大学院でとなるケースもあります。例えば国際関係学では、政治、経済、地理、歴史などの膨大な知識を踏まえて国際問題の解決について考えなければ十分な議論はできないでしょう。予備知識をつけるだけでも4年分かかるということなのです。
別の例では、人工知能(Artificial Inteligence)について学びたいとします。道具としてのAIの使い方や活用だけであれば学部(学士号)レベルで十分であり、Artificial Inteligence専攻を学部課程で設置している大学ではユーザーや管理者レベルの議論までが中心になります。しかし、AIそのものの開発や、本質的な理論について学びたければ、一般的なコンピューターサイエンス、数学、脳科学などの知識を学部レベルで身に付けた上で大学院以上での学びが必要です。
もちろんこれらを日本の大学や社会人の経験で十分に身に付け、英語力が追いつくのであれば、大学院に進学しても高度な議論や実習についていくこともできる可能性はあるでしょう。ただ、これまで経験していない新しいことに挑戦するのであれば、アメリカの大学院への直接進学を無理に行うことは得策とは言えません。
学部編入を経由して条件を整える
本機構では、まずは学部課程に編入し、必要な予備知識を身につけ、英語力を高めながらアメリカの大学で大学院への進学準備を進めることを推奨しています。直接進学より1〜2年留学期間が長くなりますが、予算と時間が許すならより確実な方法です。
実際、直接入学できた場合でも、大学院の授業に対応する知識を得るために初期は学部課程の授業の履修を命じられるケースもあります。準備に長い時間をかけていた場合は、そこからさらにプラス1〜2年となる計算ですから、一見は遠回りに見えても、アメリカで条件作りを行った方が全体のタイムパフォーマンスは良いということになります。
さらに学部編入経由のメリットは、学部からの許可が出れば、学士課程の履修中に少しずつ修士課程の授業への参加を許可され、シームレスに大学院進学ができるケースがあることです。編入した大学の大学院で学ぶ(他大学へのステップアップを狙わない)のであれば、大卒の方で合計3年程度で大学院卒まで辿り着ける場合があります。(※ただしこの場合は修士号のみとなり、学士号は得られません)
もしもあなたがまだ卒業見込み以前の大学1〜3年に在学中であれば、やはり条件を満たすために、早めにアメリカの大学への編入を検討されることをお勧めします。英語力の面でも、学習内容の面でも、早めにアメリカの流れに乗った方が可能性が広がるのは間違いありません。
特により上位の大学の大学院を狙う場合、良好な成績を学部課程で出すことで、大学院の授業料全額免除など価値の高い奨学金が支給されることもあります。
アメリカにおいては、「アメリカで」あなたの力を証明することが大切であり、結果を出せば次の扉が開きます。まずは早めにチャレンジする方向で検討してみましょう。
2つ目の学士号も考えてみよう
全く予備知識のない新しいことに挑戦する場合は、学部卒をめざす留学も検討しましょう。
アメリカではダブルメジャー(Double Major)/ダブルディグリー(Double Degree)=複数の専攻や学位を取得することは珍しいことではありません。NCN学生でも15〜20%程度の学生がダブルメジャーを取得しています。また、日米など異なる大学で2つ学位を取ることをダブルディグリーと呼び、こちらも価値の高い能力の証明となるでしょう。
未知のことに挑戦するのであれば、その基礎から学ぶのは当たり前とも言えます。日本ではあまり馴染みがありませんが、2つ目の学位を取るという概念がアメリカでは根付いており、その社会的な評価も高くなっています。
大学院進学ありきという考えから、まずはあなたが実現したいゴールを定め、どのルートが適切かという検討に切り替えてみましょう。きっと今まで考えていなかったような実現方法も見つかることでしょう。
詳しくは進学説明会でご相談ください。
まとめ
✅ アメリカの大学院に直接進学のハードルは高い
✅ 学部編入経由の大学院進学がおすすめ
✅ やりたいことや実現したい目標をベースに柔軟な進路検討を
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