より一直線にパイロットをめざす学生のために
これまで、NCNでは四年制大学卒業を前提として各種プログラムを運用してきました。パイロット(航空学)も例外ではなく、現在でも英語力やコミュニケーション能力、国際対応能力など必要な能力をしっかり身につけるには、やはり四年制大学を卒業することが最優先策という考え方に変化はありません。
しかし、円安やインフレを通じて、パイロット留学に必要な費用はここ数年急激に増加しており、最新の情報収集の結果では、新入生から学んだ場合、日本の大学の航空学部でも約3,000万円前後、大学によっては卒業までに約3,500万円が必要というデータが出ており、一般的なご家庭にとっては手の届きづらい領域になりつつあります。
米国大学においては授業料が大学により50%程度減免されるNCN特別奨学金を併用した場合で、卒業までの総学費が約1,800万円~2,400万円程度であり、留学に必要な諸費用を加えても経済性は高いものの、それでも絶対額として大きな費用がかかることには変わりはありません。
そこで、本機構ではさらに経済的にパイロットを目指せ、かつほぼ確実に日本の航空会社のパイロットとして就職ができる仕組みとして、米国大学の二年制コースを活用し、卒業後にチャレンジ目標として航空大学校合格、または日本のフライトスクールへの入学で、最短3年半程度でパイロットを目指せるコースを新たに設定しました。
二年制コースとは?
アメリカの大学には、学士号(Bachelor=四年制)と准学士号(Associate=二年制)のコースを設定している大学があります。准学士号は日本で言えば短期大学卒です。本機構受入大学のひとつ、カンザス州立大学では、航空学プロフェッショナルパイロット専攻でそれぞれ学士、准学士のコースを設けています。では、四年制と二年制で何が違うのか比較してみましょう。
履修科目の違い
以下の通り、基本的な自家用/事業用ライセンスは共通で取得できます。四年制の場合は、学士として必要な教養科目や、より将来の航空会社勤務を見据えた周辺知識、アメリカで経験を積む場合に有利となるインストラクター資格を取得することができます。しかし、単に日本のライセンスへの切り替えを目指す場合や、四大卒にこだわらないのであれば、基本ライセンスで十分という考え方もできます。
四年制との共通点
- 自家用操縦士~事業用までの免許が取得できる点や飛行時間、履修科目の授業内容は同じ
- 従って、フライト費用も原則同じ
- 州トップクラスの大学のレベルで学ぶことができる
二年制のメリット
- 卒業単位数が60単位と四年制の半分で、その多くを航空学の専門科目や訓練が占めるため、大卒にこだわらずライセンス取得が主目的の学生に適合しやすい
- フライト費用を除く学費が四年制大学の約半分
- 「大学2年在籍」という航空大学校の受験資格を満たせる
- 卒業後、日本のフライトスクール経由で日本の航空会社に応募できる
- 必要に応じて四年制の学士課程に切り替えることもできる
二年制のデメリット
- あくまで短大卒なので、四大卒として社会に出ることはできない(ただし差分単位を卒業後に再度学べば将来的に学士号を取得はできる)
- 留学期間が短くなる分、英語力などの向上も相応ではある
- 教養科目や航空に関する周辺知識については履修量が少なくなる
- フライトインストラクター関連の免許は通常の履修では取得できない(卒業を延期して追加履修すれば可能)
- 日本でのパイロットへの道はほぼ卒業後の航空大学校かフライトスクール進学の二択に絞られるため、それぞれの費用が別途必要
卒業後の進路は?
米国FAA(連邦航空局)のパイロットライセンスはそのままでは日本で通用しないため、卒業後、日本のライセンス(JCAB)に切り替えを行う必要があります。またその完了とともに日本の航空会社の採用のプロセスに進むことができます。
(1)航空大学校入学をめざす
日本政府のパイロット養成機関である航空大学校は、国の支援があるため最も経済的(卒業までの2年間の総予算約380万円)にパイロットの道に進め、卒業生もほぼエアラインに入社できる一方、入試倍率が平均8倍以上と狭き門でもあります。そのため、本プログラムの場合、卒業・帰国後に一定期間の入試対策を行い、受験に臨むことを想定しています(本機構の指導範囲外)。受験資格は大学2年生相当までを修了していることとなりますので、本プログラム卒業生も対象となります。
(2)日本のフライトスクールに入学する
民間組織でライセンスの切り替えを行う場合は、本機構のオフィシャルパートナーである朝日航空をはじめとするフライトスクールに入学し、最短14ヶ月の切り替え訓練(朝日航空の場合)を行うことになります。こちらは入試などは無い一方、卒業までに約1,100万円の費用がかかります。しかし、卒業後は90%以上の受講生がエアラインに入社している実績があるため、航空会社就職後に返済可能な訓練費用専用のローンが利用できる(審査あり)など、直接負担を減らす工夫がなされています。
例えば、朝日航空に入学した本機構学生は、訓練中や同社指導のもとで就職活動中の学生を除くと、全員がエアラインに入社をしています。
また、本機構では朝日航空の協力のもと、留学前や留学中の学生に対してもパイロットとして必要な知識、心構えやテクニカルな相談を受けられる体制を設けており、アメリカから日本のライセンスへのスムーズな移行に貢献しています。
カンザス州立大学の奨学金制度
カンザス州立大学(航空学部)では、以下の通り奨学金を設定しています。大学生の編入の場合も、一部区切りが異なりますが概ね同様の設定です。審査時の評定平均(GPA)により奨学金額が変わり、奨学金を得るには少なくともGPA3.25(高校の5段階評価で約4.25以上、合格基準そのものはGPA2.80以上)が必要です。奨学金を得られない場合は、留学費用の総額では他の航空学部を設置する標準的な四年制大学と同等以上になる場合があり、かつ1年あたりの負担が大きくなるため、他大学の四年制コースも比較検討をすることをお勧めします。
しかし、GPAが高い学生については非常に有利な制度であり、最も経済的な場合では、下記の授業料、生活費、フライト費用、本機構関連費用を含めても1,600万円弱で二年制卒業まで到達し、さらに航空大学校に合格できた場合は合計2,000万円程度でパイロットになれる可能性があります。
高校GPA | 年間授業料(30単位) | 日本円換算($1=¥130) |
---|---|---|
2.80〜3.24(奨学金無し) | $25,498/年 | 約331万円/年 |
3.25〜3.49 | $18,056/年 | 約235万円/年 |
3.50〜3.74 | $16,568/年 | 約215万円/年 |
3.75〜3.89 | $13,591/年 | 約177万円/年 |
3.90以上 | $10,615/年 | 約138万円/年 |
航空学二年制コースに合う学生は?
奨学金の部分を除いても、短期間にライセンス取得をめざすことや、大学のレベルを考慮すると、一定以上の学力、英語力が求められます。このプログラムは、「力のある学生が短期間かつ比較的経済的に、ほぼ確実にパイロットになれる」制度であり、「簡単にパイロットになる」という制度ではないことには注意しましょう。
別の面では、日本の大学の卒業生や卒業後に留学を考えている皆さんには、(必ずしもパイロットに必須ではないものの)大卒資格は日本の大学で得た上で、一定期間の大学留学と、無駄なくライセンス取得ができる仕組みとして検討に値すると思われます。
こんな学生に航空学二年制コースはおすすめ
- 評定平均、学力、英語力にある程度自信がある学生
- 費用を節約しながらも留学経験とパイロットライセンスを求める学生
- 四年制大学の卒業にこだわらない学生 ※航空大学校は卒業しても大卒資格は与えられません
- 日本の大学卒業後の編入学生
詳しくは共通審査で検討を
今回ご紹介した二年制コースを含めて、最適な進路を検討する場として、ぜひ共通審査を受験してみましょう。
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